仮の歯を装着したセメントが、歯にも付着していますが、これを綺麗に除去しないと、最終的な歯の接着に影響を与えます。
接着性阻害因子
アルミナの粉末を吹き付けて、歯に付着した残存セメントを除去します。
塩化第二鉄を含有するクエン酸でエッチングをします。
二ケイ酸リチウムを素材とするセラミックス補綴物の内面は、フッ酸で酸処理します。
曇りガラスを作るのを同じようなことです。表面を粗造にすることで、接着剤の機械的な嵌合力も増します。
補綴物の表面に水溶性の分離剤を塗布することにより、余剰なセメントが補綴物に接着しないようにします。
マスキングテープを使って、隣の歯や歯肉溝にセメントが流れ落ちないようにします。
補綴物が脱落するのは、接着剤や合着剤だけのせいではありません。歯の削り方、噛み合わせ、型採りなど様々な原因がありますが、このような工程を踏んで、脱落しにくい補綴物の装着ができる一助になります。
1本の歯を装着するのに、約30分くらいは時間がかかります。